Yoakemae Blog

フィルムカメラ修理・販売のヨアケマエカメラ店主のブログ

Pentax SPを修理してばかりの1年を終えて

※当記事に記載の修理についての情報(代金や工期の目安、対象機種など)は投稿当時のものです。最新の情報は以下の修理代金目安表をご確認ください。 (2019年10月4日追記)

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フィルムカメラ修理・販売のオンラインショップ、ヨアケマエカメラの1年目が終わりました。1年目としては、僕が想定していたよりもはるかにの多くのご注文と修理のご依頼をいただきました。本当にありがとうございました。

 

仕入れたカメラを整備して販売したり、ご依頼を受けてカメラの修理をしたりしていると、たまにお客様から「思ったより綺麗で驚いた」とか「すごく快適に使えるようになった」というお声をメールでいただきます。ありがたく思うのと同時に、フィルムカメラが再評価されはじめてしばらく経って、フィルムカメラを使う人自体は増えているものの、「ちゃんと整備されていないカメラ」を使っている人が結構いらっしゃるのかなと思いました。

 

例えばペンタックスSP、今年はこのカメラを本当にたくさん整備しました。来年もきっとそうなるでしょうが、修理依頼をいただくときにご説明いただく症状として多いのが、「シャッターを切った時にミラーが戻らなくなる現象」や、「シャッター幕のムラ(写真の片側が真っ黒になる現象)」です。

 

ですが、実際にカメラを受け取って確認して見ると、ファインダーのプリズムが腐食していたり、モルトが劣化していたり、露出計の精度に問題があったり、アイレット(ストラップ取り付け金具)が緩んでいたり、全体的にとても汚れていたり、実に様々な問題を抱えていることがよくありました。こうなると部分的な修理でなくオーバーホール(全修理)が必要になります。

 

オーバーホールを行うときは、不具合をただ修理するだけでなく、一つ一つのパーツの汚れを落とし、新たに潤滑油を足す作業も行うので、上に挙げた不具合が解消されるだけでなく、巻き上げレバーの感触やシャッター音まで心地よいものになります。このカメラは僕の親すら生まれていない時代に生まれたカメラなので、発売当時の使い心地は知る由もありませんが、なるべく近づけようと努力しています。

ペンタックスSPは非常にたくさん生産されたカメラでもあるので、ヤフオクやメルカリなどで探せば、2、3000円で買えてしまうこともあります。ですが、それらのSPほとんどが整備されていません。ヨアケマエカメラではSPのオーバーホールを状態によって8000円から12000円ほどでお引き受けしており、1ヶ月間は不具合の再発を無償で再修理しています。また整備済みのものをレンズ付きで14000円前後で販売し、3ヶ月の保証をお付けしています

ブラックもあります。

僕もヤフオクで中古のレコードやラジカセを買い漁ってよく失敗しているので、安物買いの銭失いという言葉はあまり好きではありません。身銭を切ったからこそ学べることもあると思いますので、どこで買うかは人それぞれです。ですがSPに限らず、「ヨアケマエカメラで買う」「ヨアケマエカメラに直してもらう」という選択肢があることをできるだけ多くの人に知っていただければ良いかなと思います。

 

1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。